2024年の天皇賞秋を制したのは、後方から直線一気の末脚を炸裂させた武豊騎手騎乗のドウデュース。唯々強い!凄い!といった言葉しか出てこない競馬だった。いや、本当に凄い末脚だった。
馬場発表は良馬場だったけど、週中に降った雨や直前でも一雨来たようで、水分は含んでいた馬場で行われた今回の天皇賞。
上記のレース映像でも、レース中結構大きな芝の塊が飛んでいるのが確認できたけど、ドウデュースのジョッキーカメラを見てみたら、案の定というか後ろから行く馬の宿命というか、スタート直後に泥の塊がカメラを命中。ほとんど音しか聞こえないという残念なモノになってしまっていたね。
逃げた岩田望来騎手のホウオウビスケッツが造ったペースは、1000m通過が59秒9とこのレベルのレースにしては、馬場状態を考えても緩いもの。上がり勝負に持ち込んだわけだけど、同馬が3着に残ったのも納得のペースだったね。
この後半1000mを57秒4という速い時計を刻んだ流れを、道中後方2番手から直線で全馬差し切ってしまうのだから、ドウデュースの末脚は強烈過ぎた。
同馬の上がり3ハロンの時計は驚異の32秒5。このレベルのレースで、この末脚を繰り出し、そして勝ち切ってしまうのだから素晴らしいというしかない。
勝ったドウデュースが凄いのは勿論だが、鞍上の武豊騎手のエスコートもまた素晴らしかったというしかないものだった。
武豊騎手も度々述べているが、ドウデュースは歳を取るごとに乗り辛くなっているように思える。とにかく敏感な馬になっていて、一歩間違えば暴発する・・・。そういう印象を最近は特に強く受けるようになった。
さすがにアクセルがオフとオンしか無いようなどうしようもない敏感さではないのだが、それでも少しでも手綱操作を誤ると、一気にギアがトップに入ってしまい制御不可。勝負所では脚が残っていないという面があるように感じている。
武豊騎手はそういった馬(代表的な例を出せばディープインパクト)を乗りこなすのが非常にうまく、去年の有馬記念など武豊騎手でなければドウデュースであの勝ち方は出来ないと思わせるものだったが・・・。それでも去年よりさらに敏感になった印象のドウデュースを、この大一番で最高の形で勝たせるのだから、やはりこの人は天才だな・・・と改めて思うわけだ。
これで4年連続でG1勝ちとなったドウデュース。どうやら2歳時から毎年G1を勝ち続けた牡馬は史上初だそうで、素晴らしい記録を樹立したと言えるだろう。
近年これほど息長く活躍する超一流馬は珍しいだけに、非常に素晴らしい記録だと思う。しかも栄光のダービー馬だけにね。
今後は順調ならばジャパンカップに参戦することになるのだろうか?考えてみれば武豊騎手とのコンビでは初のジャパンカップ。今年は外国馬も粒ぞろいになりそうなだけに、もう一丁!を期待したい。